虹色パウダー
「樋渡、今日一緒に帰らない?」
教室に入るなり、声をかけてきたのは淳平。
淳平はあのカラオケから、ますます桜子を好きになったようだ。
そしてサッキーもまた淳平への気持ちを大きくしていた。
「今日はごめん」
断る桜子を見て、サッキーはうらやましそうな声で言った。
「いいなぁ、桜子。淳平って絶対桜子のこと好きだよね……」
同意を求められた雪乃ちゃんは少し困った顔をして首をかしげた。
「どうだろう」
カラオケの後、一緒に帰った雪乃ちゃんと淳平。
どんな話をしたんだろう。
サッキーは交換日記に細かく書いていた。
弘道からメアドを聞かれて、サッキーは困りながらも教えてしまった。
弘道からはそれから毎日メールが来るらしい。
「弘道にしよっかなぁ」
腕組みをしながら、弘道と淳平を交互に見るサッキー。
「あーー でもやっぱ淳平がいい!!」
そんなサッキーを見て、雪乃ちゃんと桜子は顔を見合わせて笑った。