虹色パウダー
「俺、入学してからずっと樋渡のことが好きだったんだ。付き合ってもらえないかな」
相手が違う。
桜子が告白してほしいのは淳平じゃない。
どうしてこの場に淳平がいるんだろう。
僕も悲しくなってきた。
「答えは急がない。ゆっくり考えて欲しい。じゃ……」
淳平は走って消えて行った。
桜子は全く動かずに、公園の真ん中で立ちすくんでいた。
5分以上、桜子は動かなかった。
涙は流していないけど、桜子は泣いているようだった。
恋ってむずかしい。
恋ってうまくいかない。
涼太も桜子を好きだったはずだ。
どうしてこうなるんだろう。