虹色パウダー
サッキーは、淳平をあきらめた。
と言うか……
坊主頭のバスケ部、弘道に告白されたのだ。
1回でOKしたサッキーの心の内はわからないが、今はとても幸せそうだ。
「サッキー、ブラ透けてる!!」
後ろの席の淳平にからかわれたサッキーは、授業中こっそり弘道に目配せをした。
次の休み時間、弘道は淳平の頭を教科書で思いっきり殴った。
「てめぇ、人の彼女の背中とかいちいち見んじゃねーよ」
「悪い悪い。だって、水泳で髪が濡れてて、セクシーだったんだよね」
それを聞いて、弘道はもっと怒り出し、廊下に連れ出した淳平を冗談半分で蹴っていた。
「サッキーは愛されてるねぇ。弘道って彼氏にするには1番いいんじゃない?」
桜子の言葉に、何度もうなづく雪乃ちゃん。
そうだな。
淳平はちょっと軽いし、女友達も多い。
涼太はサッカーに夢中すぎる。
弘道は、高校生の女の子にとっては最適な彼氏なんじゃないか。