虹色パウダー
「雪乃は好きな男子とかいないの?」
桜子の問いに、顔を背けた雪乃ちゃん。
それを見て、話をそらしたサッキー。
僕は何かを感じた。
その日の放課後、桜子と別れたサッキーと雪乃ちゃんについていくことにした。
手首につけている三人お揃いのシュシュ。
雪乃ちゃんはそれを手首から外し、髪をくくった。
「桜子、気付いてるかな」
「気付いてないと思う。気付いたら桜子、相当悩むと思うんだよね……」
ん?
何の話?
僕には全く見えない話だ。
「桜子は悪くないもんね。桜子は、ちゃんと断ったし、悪いのはあいつだよ」
声を荒げるサッキー。
サッキーの言う『あいつ』とは……
「淳平、一途だよね」
雪乃ちゃんの声を聞き、僕のなぞは解けた。