虹色パウダー



「雪乃は好きな男子とかいないの?」


桜子の問いに、顔を背けた雪乃ちゃん。


それを見て、話をそらしたサッキー。





僕は何かを感じた。


その日の放課後、桜子と別れたサッキーと雪乃ちゃんについていくことにした。





手首につけている三人お揃いのシュシュ。


雪乃ちゃんはそれを手首から外し、髪をくくった。



「桜子、気付いてるかな」


「気付いてないと思う。気付いたら桜子、相当悩むと思うんだよね……」



ん?

何の話?

僕には全く見えない話だ。



「桜子は悪くないもんね。桜子は、ちゃんと断ったし、悪いのはあいつだよ」



声を荒げるサッキー。


サッキーの言う『あいつ』とは……




「淳平、一途だよね」



雪乃ちゃんの声を聞き、僕のなぞは解けた。





< 114 / 287 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop