虹色パウダー
僕の願いは夏みかんパウダーと共に、桜子に届いたようだ。
来た。
思い出のこの公園に。
自転車に乗った桜子が、来た。
桜子は、公園の真ん中でボールを蹴る涼太を見つけて、自転車のスピードを緩めた。
ビクっとした桜子は、迷う気持ちと戦っていた。
話したいと思う。
でも、怖い気持ちもあるだろう。
桜子のことを好きな淳平と仲の良い涼太。
桜子は、涼太の気持ちを全く知らない。
僕だって、本当の涼太の気持ちはわからない。
勝手に想像しているだけで、実は本当に桜子への気持ちは友情だけなのかも知れない。
わからない。