虹色パウダー
やった!!!
僕は飛んだ。
ふたりの頭の上に
たくさんの夏みかんパウダーを振りかけながら。
「いいの?私が持ってて」
遠慮がちに聞く桜子に、涼太は乱暴に言い返す。
「もともとお前が持っとくべきもんだろ!!」
涼太は乱暴な言葉遣いとはうらはらに、優しくボールを桜子に渡した。
そして、張り詰めたような空気の中……
「淳平と付き合うのか?」
涼太は、桜子に背を向けながら言った。
「付き合うわけないよ」
涼太は、ちょっと話そうかと言って、公園の奥のベンチを指差した。