虹色パウダー
「りょ、りょ……涼太君!!」
「呼んでるじゃん」
ちょっと嬉しそうだぞ、涼太。
「で、何?」
いきなり俺様系に変身した涼太は、腕を組み、にらむような目で桜子を見た。
「ごめんね。私のせいでいろいろ」
「別に……お前は関係ない」
「でも、さっき、私のせいって言ったし」
「そういう意味じゃなくて…… 淳平がしつこくお前のこと好き好き言ってるのが、俺的には納得できないって言うか。俺はどうにもできないし」
桜子は胸に抱いたボールの表面を指でツンツンと突っついていた。
僕としては、この『俺様涼太』もなかなか好きだ。
今までの『おりこうさん涼太』では進展しなかった恋が、動き出す予感。