虹色パウダー
ベンチに座ったままの涼太は、大声を出した桜子を見上げて笑う。
「ははは。お前、へんなヤツ!」
「え?何が?えーーー」
混乱しまくりの桜子。
「明日、またここで会える?待ってるから」
「え?」
「別に嫌なら来なくていいけど」
涼太はそう言って、急に走り出した。
涼太も相当興奮していたのだろう。
自分が口にした言葉を思い出し、恥ずかしくなったのかも知れない。
桜子は、転がっているボールを拾い、呆然と立ちすくんでいた。