虹色パウダー
僕は最近まで、弘道と涼太の接点がわからなかった。
どうやら、サッキーが鍵を握っているようだということはわかった。
「弘道、淳平に変なこと言うなよ」
涼太は不機嫌な声だけど、顔がちょっとニヤけていた。
「わかってるって」
涼太は、廊下を走って行った。
「あれ、100%意識してるよね」
サッキーは興奮しながら弘道の腕を振り回す。
「間違いないな。淳平にはかわいそうだけど、涼太と桜子は両思いだな」
弘道はサッキーの手を引っ張りながら廊下を歩く。
堂々と手を繋いで廊下を歩くカップルは、なかなかいない。
だから、このふたりはもう有名になっていた。