虹色パウダー



サッキーと雪乃ちゃんの授業中に回していた手紙を読んだ。



そういうことか。



サッキーは、弘道に頼んだ。

涼太と仲良くなって、涼太の好きな人を調べてって。



最初は淳平のこともあるし、断っていた弘道だったが、涼太と何度か話しているうちに弘道は涼太が好きになった。



真剣にサッカーに打ち込む姿も、純粋なところも弘道は気に入った。



だから、サッキーに頼まれたからではなく、自分から涼太と友達になろうと思った。




でも、考えてみると淳平ってかわいそうだよね。


親友だと思っている弘道が、影でそんな動きをしているなんて。





「淳平、なんだかかわいそう」



雪乃ちゃんは、サッキーの手紙を読んで、小さな声で独り言を言った。




斜め前に座る淳平の背中を見つめながら。




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