虹色パウダー
弘道が大きく手を振ったもんだから、練習中の淳平が気付いてしまった。
淳平が立ち止まると、涼太も淳平の視線の先を見た。
涼太……
桜子がいることに気付いて、顔を真っ赤にした。
そして、反対方向に向かって走り出した。
「涼太君、照れてるね」
サッキーがそんなことを言うから桜子まで走り出した。
不思議そうに桜子を目で追う淳平。
そして、その淳平を見つめる雪乃ちゃん。
みんな恋をしていて、一生懸命で……
できればみんなに幸せになって欲しいと思う。
でもそんなことは無理なんだ。
体も心もひとつしかないから。