虹色パウダー
今日はよく働いた。
もう夕方になっていた。
僕は校門から、下校する生徒達を見ていた。
なるほど。
新しい制服の方が、断然かわいい。
今日は新学期最初の日。
まだひとりで下校する生徒も多い。
僕は校舎の中を散歩した。
もう生徒が帰ってしまったので、静かすぎて、ちょっと緊張する。
いくら妖精の僕でもこんなに静かだと、気配を消すのに苦労する。
長い廊下を散歩しながら、各教室を覗いてみる。
まだ新しい匂いがする1年生の教室。
黒板に書かれた先生の自己紹介の名前。
2、3年の教室には、教科書やノートがいっぱい置いてあるのに、1年生の教室にはまだ置かれていない。
みんなまだ真面目なんだね。
だんだん教科書が重くなって、みんな宿題のない教科の教科書は置いて帰るようになる。
僕はこっそりその教科書を見て、勉強するんだ。
僕のいるこの日本ってどういう国なのか。
日本っていう国にはまだ侍がいると信じられていたけれど、実際来てみるとテレビの中にしかいない。
妖精学校に帰ったら、みんなに教えてあげないと。
きっとびっくりするだろうな。