虹色パウダー
淳平は、拾ったゴミ箱を乱暴にトボ助に渡した。
「先生こそ……女子高生に変な感情抱かないでくださいよ」
淳平は、顔を近づけてトボ助に言った。
トボ助は、明らかに桜子を気に入っている。
同じクラスの淳平はそのことに気付いている。
「高津、何を言ってるんだ!!」
涼太は、声を荒げるトボ助をにらんでいた。
「じゃあ、失礼します」
トボ助をにらんだままの涼太の腕を引っ張って、淳平は走り出した。
「ちょ、ちょっと!!お前ら!!ゴミ拾え!!」
トボ助の声は、空しく響いた。