虹色パウダー
あれ?
僕は、何気なく覗いた一番端の教室に人影を発見した。
気配を消して、一番後ろの机の上にちょこんと座ってみた。
「誰?」
1年1組。
窓辺にいた少女が振り向いた。
気配を消しているつもりなのに、僕を見て、『誰?』と言った。
僕は固まって動けなくなった。
僕が見えるの?
「気のせい・・・・・・だよね」
少女は首をかしげながら、また窓の外に視線を移した。
はぁ、良かった。
僕の存在がバレてしまうと、僕は強制的に研修終了となり落第してしまう。
落第が嫌なんじゃない。
もっとここにいたいから。
人間界に・・・・・・
学校という場所にいたいから。