虹色パウダー
「今度、もっと近くで撮れば?」
ぶっきらぼうに涼太は言ったが、顔がニヤけるのを我慢しているようでかわいい。
「番号、言うぞ?」
「はい」
こうして、桜子と涼太は携帯番号とメールアドレスを交換した。
「俺、メールとかしねぇから」
涼太は、桜子のアドレスを携帯に登録しながらボソっと言った。
桜子は、嬉しそうに涼太の横顔を見つめていた。
「でも、まだ…… 問題は残ってるからな。淳平に、お前のこと好きかも知れないって今日話した。でも……まだそれしか言ってない」
涼太は左手で自分の右の二の腕を触りながら話していた。
鍛えられた筋肉が今は、休んでいるようだった。