虹色パウダー
涼太VSトボ助
暑い夏。
みんなの青春を色付かせる季節。
毎日はあっという間に過ぎていく。
止まってくれと頼みたくなるくらい……
涼太も桜子も、これからどうすればいいのか悩んでいるようだった。
淳平に、ふたりが両想いであることを告げて堂々と付き合うべきか、
淳平が桜子をあきらめるまで待つか……
でもどちらにしても、涼太の心の中には『裏切り』のように感じられた。
「っはよ~!」
朝からテンションの高い淳平が、教室のみんなに挨拶をする。
淳平が桜子のことを好きなことは何となくみんなが気付いていたが、その他にも数人の男子が桜子に好意を寄せていることを僕は知っている。
大人しい男の子が、授業中、桜子をじっと見つめていること。
僕にはわかる。