虹色パウダー
その日は、個人面談が予定されていて、桜子は憂鬱そうだった。
「トボ助とふたりきりとか、ありえない」
桜子がため息をつくと、雪乃ちゃんが心配そうにうなづいた。
「トボ助って、桜子にやたらとかまってくるもんね」
桜子は、そんなことないよと言ったけど、サッキーも続けた。
「明らかに桜子のこと、気に入ってるっぽいよ。アイツ」
桜子は、トボ助の顔を思い浮かべたのか、苦い顔をして、みんながそれを見て笑った。
下敷きで顔をあおぐ3人。
下敷きに落書きされた友情の証。
3人の名前が書かれた透明下敷き。
「桜子のこと心配だから、私達がこっそり廊下で待ってるよ!!」
「変な質問されたら、逃げなよ。何かあったら涼太君に言いつけてやるから」
サッキーと雪乃ちゃんは、今日は面談の日ではないが、桜子と一緒に放課後残ることにした。