虹色パウダー
どうしてこんな時間に教室にいるんだろう。
もう校舎にはほとんど生徒はいないっていうのに。
そのか細い背中は、僕を必要としているように見えた。
少し茶色い髪は、染めているわけではなく生まれつきのようだ。
身長は155センチくらい。
細身で、手足が長くスタイルが良い。
顔は見えない。
僕は窓の外へ飛んでいき、フワフワと浮きながら、彼女の顔を見た。
泣いて・・・・・・る?
大きな瞳に溢れる涙は、虹色に輝いていた。
きっと夕日を浴びているせいだろう。
切ない表情が、僕の胸を打つ。
どうして泣いているの?
僕はいつものように、彼女の心の中を見ようとした。
でも、なかなか見えない。
僕はそっと彼女の頭の上に飛び乗った。
サラサラの髪のせいで、僕はすべり落ちそうになる。
必死で髪にしがみついて、頭のてっぺんに腰掛けた。
彼女が見ているものを、一緒に見よう。
何を見て
何を感じているんだい?