虹色パウダー
淳平と間違ってしまうような口調だった。
でも、そこに立っていたのは涼太。
淳平も弘道も、扉の後ろに隠れたまま涼太を見ていた。
「日向丘…… 何しに来たんだ。個人面談の最中なんだぞ。出ていけ」
うろたえながらも、反論するトボ助。
「個人面談?どうして、先生は携帯なんか持ってんだよ。樋渡の番号無理やり聞こうとしてただろ」
涼太は、桜子の肩に手を置いた。
「教える必要ないから。樋渡に何かあったら、俺が守る」
「涼太……」
桜子は、男らしい涼太に見とれていた。
トボ助は、個人面談を再開したいから出ていけと怒鳴った。
「心配だから、俺も一緒にいいですか。隣に座っています」
「だめだ!!そんなのだめに決まっているだろう」
涼太は、一歩もひかない。
「じゃあ、もう個人面談終わりってことでいいですか?」