虹色パウダー




腕で涙を拭った淳平は、立ち上がった。


雪乃ちゃんも涙を拭いた。





「あきらめるなんてできないけど、桜子と涼太の邪魔はしない。アイツらは両想いなんだもんな」




雪乃ちゃんは、何も言わずに淳平を見つめていた。




「雪乃も辛かっただろ」




淳平は、雪乃ちゃんの頭にそっと手を乗せた。



どういうこと?


爽やかな風はふたりの間を吹きぬけた。




「俺、気付いてた。お前の気持ち」




淳平は、優しく微笑んで、雪乃の頭を撫でた。





< 200 / 287 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop