虹色パウダー
「本当にありがとう」
「礼を言うなら淳平達に言えよ」
涼太はポケットに両手を突っ込んで、歩いていた。
「アイツらが、お前のこと心配してくれたから。淳平が俺に声かけてくれなかったら、俺は面談があることも知らなかったし」
「そうだね。みんなにお礼言わなきゃ。淳平、どう思ったかな」
桜子も涼太も浮かない表情をしているのは、淳平のことが気がかりだからだろう。
「俺もそれが心配で…… お前の気持ちももう淳平は気付いてると思う」
「そうだよね。私、涼太って呼んじゃったし……」
涼太は、何度もため息をついて、空を見上げた。