虹色パウダー



運命を感じてしまった。


僕は桜が好き。


たくさんの花の中で桜が一番好き。




僕は、彼女を「桜子」と呼ぶことにした。


桜子は、いつになったら家に帰るんだろう。




僕は、桜子の見つめる先にいる男の子の元まで飛んでいく。



背番号7のゼッケンをつけ、サッカーの試合に出ている。


青色のジャージには黒い線が入っている。


彼だけが半ズボンをはいているので、よくわかる。




どうして桜子が見つめていたのが、彼だとわかったのかと言うと・・・・・・




彼は誰よりも早くボールを拾いに行くから。





誰かが蹴ったボールが校舎の脇まで転がると、彼は全速力でそのボールを拾いに行く。



そう、彼は1年生。

唯一の一年生。



まだ新学期が始まったばかり。


誰も部活には入っていない。



彼は1年生なのに、もうサッカー部に入っていた。





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