虹色パウダー
告白
その日、涼太は桜子を呼び出した。
どうやら、初めて電話をかけたようだ。
いつもの公園。
午後6時半。
まだ明るい公園のベンチに涼太は座っていた。
深呼吸ばかりする涼太。
空を見上げたり、地面を見つめたり、落ち着きがない。
「ごめん!!遅くなって」
自転車のまま、涼太の元へ桜子が来た。
涼太は、気付いていたのに、今気付いたという素振りをした。
「あ、お前か」
ベンチに並んで座る桜子と涼太。
「一度しか言わないからしっかり聞いとけ。あのな、俺な」
しっかり聞いとけと言うわりには声が小さい。
桜子は、涼太に顔を近付けた。