虹色パウダー
第3章 ―秋―
僕の居場所
―あき―
新学期の始まる9月。
僕は、虹色学園ではない学校にいた。
虹色学園にもう僕は必要ないんだ。
夏休みの間、僕はいろんな学校へ行き、小さな勇気を与え続けた。
桜子達には、最近滅多に使うことがなかったピコリンパウダー。
夏休みの合宿でひとりぼっちになっている少年や、水泳の補習で泣いている少女に出会った。
僕は、虹色学園のみんなのことを考えない日はなかった。
毎日桜子の幸せを願った。
桜子と涼太だけじゃなく、淳平や雪乃ちゃん、弘道やサッキーのことも心配だった。
どうでもいいけど、トボ助のことまで思い出したりしていた。