虹色パウダー
「ねぇ、雪乃。淳平のこの髪、似合ってると思う?」
桜子は、雪乃にそう声をかけ、淳平はその時初めて桜子との隣に雪乃がいることに気が付いた。
「似合うけど…… ちょっと怖い感じに見える……かな」
雪乃ちゃんの本音だと思う。
僕だって、その金色の髪が似合っていないとは思わない。
端正な顔立ちをした淳平は、ちょっと悪ぶった今の雰囲気も似合っている。
でも、明らかに何かがあったんだとわかる。
「怖いと思うなら話しかけんな」
淳平らしくもない冷たい口調。
雪乃ちゃんは、顔を押さえて教室から飛び出した。
桜子は雪乃ちゃんを追おうとしたが、その前に淳平の頭をおもいっきり雑誌で叩いた。
「あんた、ばっかじゃない!!昔の淳平の方がずっといいよ!!雪乃の気持ちも知らないで!!」