虹色パウダー
教室を飛び出した桜子は、雪乃ちゃんが逃げ込んだトイレへ向かった。
廊下を歩く弘道とサッキーにすれ違ったが、桜子は気付かずに猛ダッシュ。
「あ、桜子」
「あ、ほんとだ。何急いでるんだろう」
弘道とサッキーは、順調なようだ。
会う人会う人、みんなが少しだけ大人っぽくなっていた。
僕は女子トイレの前をうろうろしていたが、なかなか出て来ないので、涼太を探しに行った。
わくわくした。
高校1年の夏、涼太はどんな成長を遂げたのだろう。
変わってしまった淳平とのことも気になるけど、涼太の成長が楽しみだった。
サッカー部の部室の前で、人だかりを発見した。
そこには、10人程の女子が集まっていて、カメラや手紙を持っていた。