虹色パウダー
涼太は部室に戻ると、先輩に謝っていた。
着替えた涼太は、濡れた髪をタオルで拭きながら、部室から出てきた。
すっかり男らしさが増した涼太。
体も一回り大きくなったように見える。
肌の色も真っ黒になって、白い歯がますます白く見える。
涼太の人気は僕の想像を超えたものになっていた。
「すげーよな。やっぱテレビって」
冷やかすように涼太に声をかけたのは、同じ学年のキーパーの男の子だった。
テレビ?
涼太、テレビに出たの??
僕がいない間にいろんなことがあったようだ。
涼太が教室へ向かうまでの間に、何があったのかだいたい理解できた。
涼太を見かけると、ほとんどの女子が顔を赤くして涼太を見つめた。
そして、男子は憧れのまなざしを向けながら、涼太に声をかける。
「見たよ!!テレビ!日向丘ってすごいんだな!」
「握手してくれよ~!未来のサッカー選手!」
涼太は、あまり嬉しくなさそうな表情で、対応していた。