虹色パウダー
チャイムが鳴り、僕は桜子のクラスへと移動した。
チャイムと同時に教室へ戻ってきた桜子と雪乃ちゃん。
トボ助は教室に入ってくるなり、淳平を指差した。
「高津!お前、サッカー部やめたのか?顧問の先生から聞いたぞ。ちょっとライバルに抜かれたからって、髪を染めるなんて負け犬だな」
トボ助の言い方にはトゲがあり、淳平以外の生徒も嫌な気分になった。
でも、言っていることは正しいかも知れない。
だから、誰も言い返すことはしなかった。
淳平自身も、1番自分でわかっているのだろう。
淳平は、チッと舌打ちをした後、窓の外に視線を移した。
僕がいなかった夏休みの出来事……
桜子がサッキーに渡した交換日記の中に全てが書かれていた。