虹色パウダー
夏休みの出来事
僕が、虹色学園から姿を消してから1週間後のことだった。
サッカー部の1年生の中からレギュラーが数名選ばれると噂になっていて、夏休み中の生徒の間でも、高津淳平か日向丘涼太のどちらかだろうと囁かれていた。
選ばれたのは、涼太ひとりだった。
この地区で有名なサッカークラブの補欠選手との練習試合が行われることになった。
そこで、涼太はハットトリックを決めてしまった。
ハットトリックとは1試合に3点を得点することで、それはプロでも難しいことで高校生でしかも1年の涼太にとっては、大きすぎる仕事だった。
サッカークラブの監督が涼太に興味を持った。
高校の部活の練習にも、その監督やコーチが足を運ぶようになり、涼太は嬉しい反面少し戸惑っていた。
練習に集中したいのに、それどころじゃなかった。
淳平は、自分が選ばれると信じていたこともあり、大きなショックを受けていた。
その上、ハットトリックを決めた涼太は、有名人になってしまった。
噂を聞いた他校の女子が涼太を追いかけたり、地元の新聞社が取材に来たりした。
そして、とうとうテレビの取材が来た。
涼太を特集したわけではなくいろいろな高校のスポーツ選手を取り上げる番組だったらしいんだけど、涼太の時間が1番長くていろんな選手の中でもやっぱり涼太が1番イケメンだった、とのこと……