虹色パウダー
桜子の日記を読む限りでは、、まだ桜子はここまでの人気を知らないようだ。
夏休みということもあり、部活を時々見に行く程度だった。
夏休みは、全くと言っていいほど進展がなかったようだ。
毎日毎日部活。
時々公園で会って、手を繋いだり……キスをしたり、と。
ふたりの仲は安心のようだ。
サッカーで頂点を目指す涼太。
そこまで熱心ではなかった淳平だけど、涼太と知り合ってからは真剣になっているようにも見えた。
好きな女の子を奪われて、サッカーだけでは負けたくないと意気込んでいた淳平にとって、この現実は受け入れ難かったのかも知れない。
涼太が有名になってしまってから少し後のことだった。
他校との練習試合で、1,2年を中心にしたメンバーが選ばれた。
その中に、淳平が選ばれなかったのだ。
監督の意図はわからない。
実力的に淳平は十分に選ばれる力があるはずだった。