虹色パウダー
「あのね、本当に内緒なんだけど…… 涼太には話すね。雪乃は、淳平のことが好きなの!!しかもハンパないくらい大好きで、今もずっと淳平のこと心配してる。淳平って、ばっかじゃない?」
内緒なんだけど、と言いながら
桜子の声は町内に聞こえるくらい大きかった。
「それ…… 本当のこと? アイツ、バカだよ」
「雪乃が原因のひとつだとしたら……淳平は、雪乃のこと好きってこと?」
また小声になり、肩を寄せ合うようにしてベンチに座った。
「それは、俺にはわかんねぇけど」
「淳平が、誤解してるのって……多分涼太だよ。雪乃が涼太のこと好きだって誤解してるんだと思う」
涼太は、本気で驚いて、立ち上がった。
「へ?ありえなくない?俺、雪乃ちゃんと話したことねーぞ?でも、それなら何となくわかる気がする。サッカーも、桜子も俺に奪われて、その上……ってことかな」
桜子は、頷きながら空を見上げた。
今日は、綺麗な月が出ていた。