虹色パウダー
誤解
「あのさ、淳平!!話あるんだけど」
文化祭の準備で教室に残っていた淳平に、涼太が声をかけた。
文化祭を来週に控えて、サッカー部の練習も週に3回になっていた。
「おい、聞いてんのか?」
「うるせーよ。ほっといてくれ」
涼太の顔も見ずに、淳平は大きなベニヤ板に絵の具で色を塗っていた。
「淳平…… 私もあんたと話したい」
桜子は、絵の具だらけの手をぞうきんで拭きながら、淳平に近付いた。
「説教なんか聞きたくねぇから」
淳平、お願いだからちゃんと話をして欲しい。
僕は、改良を重ねたスイカパウダーを振りかけた。
教室の天井から、ふわふわと舞い落ちるパウダーが淳平を包み込む。
「……ったく。しつこいな。わかったよ」