虹色パウダー
桜子は、立ち上がった淳平を見て安心したように息を吐いた。
「ふたりで話してくるから」
涼太はそう言って、教室を出た。
桜子は、心配そうにその様子を見ていた雪乃に近付いて、雪乃の肩に手を回した。
「大丈夫かな。淳平君……」
「うん。きっと大丈夫だよ。淳平は、雪乃が選んだ男なんだから」
イチャイチャしていた弘道とサッキーも、雪乃の近くへと寄ってきた。
「見捨てないでやってよ、雪乃ちゃん」
弘道の言葉に、二度頷いた雪乃ちゃん。
「どんな淳平君も淳平君だから」
雪乃ちゃんの愛は、深い。
ものすごく深い。
淳平は、この愛で立ち直ることができるのだろうか。