虹色パウダー
◆淳平目線◆
―淳平目線―
小さい頃から兄貴には敵わなくて。
勉強だって、運動だっていつも兄貴の方が上。
バカにされたくなくて必死で頑張ったけど、頑張る姿を笑われることがまた悔しかった。
サッカーだけだった。
兄貴に勝てるものは。
と、言っても……
兄貴は野球を選んだから当然なんだけど。
俺も野球が好きだった。
でも小学校の頃、兄貴が野球の道へ進んだから、俺はサッカーにするしかなかった。
どうせ敵わない。
野球を続けていても、俺は兄貴には勝てなかった。
だから、サッカーを選んだ。
特別サッカーの方が好きだったわけじゃない。
投げるのは得意だったからピッチャーに憧れていた。