虹色パウダー
僕は、後片付けをする涼太の肩に乗り、彼を観察した。
桜子が好きになるのもわかる。
彼の筋肉は、2つ上の先輩にも負けていない。
そして、真っ直ぐな瞳も誰よりも輝いている。
その瞳には、「夢」が見えた。
涼太は夢に向かっている。
だから輝いている。
ドロドロになったジャージを脱ぎ、制服に着替える。
今、気付いた。
男子の制服も微妙に変更されている。
ズボンがチェックになっていて、前よりもかっこいい。
部室では、先輩達が自分の携帯電話のメールチェックをしていた。
その中で涼太は急いで着替え、またグラウンドへ戻る。
マネージャーから受け取ったボールを、丁寧にタオルで拭き始めた。
新人の仕事なのだろうか。
でも、涼太はちっとも辛そうじゃない。
嬉しそうに、少し微笑むような表情でたくさんのボールを拭いていた。
こんな顔もするんだ。
涼太、笑うとかわいい。
サッカーしている顔は、凛としていたのに。