虹色パウダー
俺はそれなりに努力をした。
天才の俺と、努力バカの涼太。
当たり前だけど、先輩に気に入られるのも涼太だったし、監督からも涼太は信頼されていた。
俺はすぐに練習を休むし、女の子との恋愛に憧れたりもしていたし、ただ真面目にサッカーだけを愛している涼太とは違うタイプだった。
親しくなると、俺は涼太が好きになった。
もっと、面白くないヤツだと思っていたのに、涼太は一緒にいてとても楽しいヤツだった。
サッカーだけのサッカーバカじゃなく、勉強もできるし、友達も多い。
それに……オシャレだった。
同じ制服を着ていても、涼太だけは違って見えた。
どんどん仲良くなった。
涼太に引きずられるようにして、俺はサッカー部の練習に毎日出るようになった。
涼太ほどではないが、ひとりで練習することもあった。