虹色パウダー
仲良くふたりが話す姿を見ても、胸が痛まないようになった。
まだ桜子のことは目で追ってしまうけど、もう俺のものにはならない人なんだってわかってる。
別に涼太から奪いたいなんて思ってもいない。
そんな矢先。
1年生からレギュラーに選ばれるメンバーがいると監督から言われた。
1名か2名だと聞いていたので、俺は疑うことなく、俺と涼太だと思っていた。
きっとサッカー部の部員全員がそう思っていた。
「今回の大会のレギュラーは、1年生からは日向丘!!1人だが、1年生からレギュラーが出ることは将来に期待が持てる。みんなで日向丘を盛り立ててやってくれ」
目の前が真っ白になった。
真っ黒じゃなく、真っ白。
勝手に描いていた俺の頭の中の図が、消しゴムで真っ白に消された感じ。
俺は確信していた。
涼太と俺が1年生レギュラーとしてピッチに立つこと。
先輩からの妬みにも負けずに、俺と涼太は活躍するんだ。
そう信じていた。