虹色パウダー
「どうしてお前が選ばれなかったかわかるか?」
監督に声をかけられた時の俺は、放心状態だった。
「知るかよ」
俺は監督に向かってそんな口をきいてしまった。
「そういう所だよ。高津、お前は……」
説教なんてくそくらえだ。
俺は部室を飛び出した。
翌日から、涼太とは別メニューでの練習が始まった。
涼太がいなければ、俺の天下だった。
練習試合をしても、俺ばかりが得点を決めるし、みんな俺の言うことを聞いてくれた。
「高津、監督がお前を選ばなかったのは、お前はすぐ調子に乗るからじゃねぇか?お前の将来を期待しているからこそ、監督はお前を外したんだ」
部長からそんなことを言われた。
別に怒ることでもないのに、俺はムカっときた。