虹色パウダー
サッカーなんてやめてやる。
俺なんか必要ないんだ。
マイナスなことしか考えられなくなっていた。
そんな頃、地元のクラブチームとの対抗試合が行われた。
涼太はレギュラーとして出場していた。
やっぱりお前はすごいよ。
俺とは違う。
ハットトリックなんて……
ありえねぇよ。
お前は俺から桜子を奪った上に、俺からサッカーも奪って、その上……
お前本人まで俺から遠ざかってしまうのか?
相棒だと勝手に思っていた。
でも、違う。
涼太と俺は違う。
もう手の届かない存在だ。
テレビの取材なんて受けてさ。
地元の新聞にも載ったりして。
ファンもすごい数だし。
でも浮かれたりしないから、それが余計にかっこよくて。