虹色パウダー



俺のサッカーへの情熱は完全に失われていた。


それは監督にも伝わっていた。




だから、練習試合にも出させてもらえなくなった。


練習しないヤツは、ここには必要ない。


そう言われている気がした。





俺は弱い。

ひとりじゃいられない。



だから、都合良いかも知れないけど、頼る相手が必要だった。



何度か相談に乗ってもらっていたクラスメートの雪乃に電話をかけた。





雪乃は、俺を否定しない。


だから、話をしていて楽だった。




雪乃に特別な感情はなかった。


雪乃も、涼太に憧れているひとりだから。


桜子の親友でありながら、密かに涼太に憧れているなんて、切ない話だ。



失恋したばかりの俺にとって、雪乃は「同士」のような存在だった。






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