虹色パウダー
雪乃とは毎晩電話をした。
長電話をしていると落ち着いた。
認めたくなかったんだけど、俺は雪乃と付き合っている感覚になっていた。
彼女扱いしていた。
彼女にしたいと思った。
振り向かせたいと。
涼太なんてあきらめて、俺にすれば?って。
言いたかった。
でも、言えなかった。
今の俺じゃ、だめだ。
完全に負けてるから。
ある日、俺は家に呼ばれた。
「抱かれる覚悟で誘ってんのか?」
そんな冗談を言っても、笑顔を向ける。
純粋な子。
好きかどうかなんてわからない。
ただ、俺には誰かが必要だった。
話を聞いてくれて、俺の背中を押してくれる人。
それが、雪乃だった。