虹色パウダー
涼太は、ボールを丁寧に拭いていく。
そして、桜子はそんな涼太をまだ見つめていた。
涼太の肌は日に焼けてちょっと黒い。
桜子は真っ白だ。
このふたりは、外見的には超お似合いだ。
でも、僕にはちょっとした不安があった。
涼太の瞳には、大きな夢が映っていた。
涼太の中には、桜子が入る隙間がないようにも思えた。
夢を追っている人は素敵に見えるけど、
その分・・・・・・振り向かせるのは大変。
涼太、見てごらん。
ボールを拭いている君をあんな顔して見つめてる子がいるんだよ。
微笑んでいるような表情なのに、どこか切ない。