虹色パウダー
「帰る。無意味に優しくすんじゃねぇよ」
俺は雪乃の家を出て、サッカーを辞めようと決意した。
雪乃は涼太が好きなんだ。
涼太が映っているあの日のニュース番組を録画したものを大事に大事にDVDに保存しているんだからな。
もうわかったよ。
俺に近付いたのも、涼太が好きだからか?
桜子を好きな俺と手を組めば、何かプラスになると思ったのか。
誰もかれも、涼太涼太ってうるさいんだよ。
俺は兄貴に比べられることが嫌で、野球をやめた。
だから、今度は……
涼太と比べられることが嫌だから、サッカーをやめる。
間違ってないだろ。
もう、俺はサッカーが好きじゃない。
―淳平目線END―