虹色パウダー
大告白
「何だよ。お前に何を言われてももうサッカー部には戻らない」
体育館横の木のベンチ。
さっきまで照りつけていた太陽が雲に隠れた。
秋の風が吹く。
「文化祭も体育祭も俺はお前と一緒にやりたかったのに」
涼太は独り言のようにそう呟いてベンチに腰掛けた。
淳平は拍子抜けしたような顔をした。
『サッカー部に淳平が必要だ』とでも言われる覚悟だったんだろう。
「サッカーやめたいならそれでいい。でも、俺達から離れることはないだろ?」
淳平が涼太を友達として好きなように、涼太も淳平を好きなんだ。
涼太は友達が多いけど、対等に話せるのは淳平だけなのかも知れない。
「あ~あ。文化祭でサッカー部のシュート大会お前と出たかったのに」
涼太は、聞こえるか聞こえないかくらいの声でまた呟く。