虹色パウダー
雪乃ちゃんの好きな子は、涼太じゃない。
それは、淳平以外みんなが知っていることで……
桜子は、ちょっと笑いそうになってるし!!
「桜子、ちょっと外してやってくれるか?」
淳平はそう言って、桜子に目配せをした。
笑いをこらえるのに必死な桜子は、くるっと後ろを向き、背中を丸めて歩き出した。
きっと笑ってるんだろう。
「俺も外すよ」
涼太がその場を離れようとした時。
「てめぇな!!」
淳平が涼太の胸ぐらを掴み、殴りかかろうとした。
「聞いてやってもいいだろ!!」
歩き出した桜子も驚いたように振り向いていた。
「違うの!!!!」
普段は小さな声の雪乃ちゃんがとんでもなく大きな声を出した。