虹色パウダー



雪乃ちゃんの好きな子は、涼太じゃない。


それは、淳平以外みんなが知っていることで……




桜子は、ちょっと笑いそうになってるし!!





「桜子、ちょっと外してやってくれるか?」



淳平はそう言って、桜子に目配せをした。



笑いをこらえるのに必死な桜子は、くるっと後ろを向き、背中を丸めて歩き出した。


きっと笑ってるんだろう。




「俺も外すよ」



涼太がその場を離れようとした時。


「てめぇな!!」



淳平が涼太の胸ぐらを掴み、殴りかかろうとした。




「聞いてやってもいいだろ!!」



歩き出した桜子も驚いたように振り向いていた。





「違うの!!!!」



普段は小さな声の雪乃ちゃんがとんでもなく大きな声を出した。







< 255 / 287 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop