虹色パウダー
びっくりしたのは淳平だけじゃなかった。
あまりの大きな声に雪乃ちゃん自身も驚いているようだった。
「あ、私……ごめんなさい」
その場を走り去ろうとした。
僕はパウダーをかけた。
毎日淳平にかけていたスイカのパウダーを。
立ち止まる雪乃ちゃん。
目を閉じて、深呼吸をした。
桜子は遠くから、必死にパワーを送っていた。
握り締めた両手から友情が伝わってくる。
「私が好きなのは……淳平君なの!!!!」
静まり返る。
風が建物の間をすり抜ける。