虹色パウダー
「日向丘!!どうした?」
桜子が名付けた『トボ助』が俺に声をかけた。
「何でもないっす」
あれ以来、トボ助は桜子にちょっかい出さなくなった。
一安心。
「じゃあ、ちゃんと授業聞きなさい」
トボ助は俺をにらむ。
桜子。
いいのかな?
進んでも。
一歩前に進んでも大丈夫なのかな、俺達。
どうしても今したいわけじゃないけど、もしも桜子が同じ気持ちでいてくれるなら……
一歩踏み出したい。
初めてだし、不安もあるけど。
こんなにも好きだと思える人と初めてを迎えられるって、すっげー幸せだなって思うんだ。