虹色パウダー



今日の夜空はとても星が綺麗に見える。


待ち合わせの公園のベンチ。


明日、毛糸を買いに行こう。


もうすぐクリスマスだから、私は明日から毎日徹夜しなきゃだめだと思う。




「え?」


涼太が来たわけじゃないのに、私は気配を感じた。


頭の上に何か温かいものが乗ったような。



「何?」


きょろきょろしてみるけど、何もない。




「あ……」


夜空を見上げた私は、懐かしい匂いに気付いた。




「桜だぁ」



涼太と私が出会った季節。

春の淡い匂い。


桜の匂いが私を包み込んだ。




涼太が来てから、さっき突然桜の匂いがしたんだと話したけど、涼太は信じてくれなかった。


あの匂い、一緒に感じたかったな。






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