虹色パウダー
桜子のことを話し始めると止まらなくなる。
桜子の良い所をいくらでも教えてあげたくなる。
まぁいい。
こうして桜子には素敵な友達が2人できた。
10分ほどで、3人はあだ名で呼び合う仲になっていた。
『桜子』
『雪乃ちゃん』
『サッキー』
好きなテレビ番組の話や、読んでいる雑誌の話で盛り上がる。
3人は、お弁当を食べる手を止めて、話していた。
「でしょ~!!あの人かっこいいよね」
大声を上げたのはサッキー。
今見ているドラマの主人公の男性について熱く語り出した。
雪乃ちゃんは、控えめに微笑みながら、サッキーの話を聞いている。
桜子はというと、気を遣って、雪乃ちゃんに話を振ってあげたりする。
「雪乃ちゃんは、誰が好み?」
さすが、桜子は優しい。
「私・・・・・・もうひとりの人が好きかな」
雪乃ちゃんの好みの男性は、雪乃ちゃんに似て大人しいタイプの人。
3人は、もうすぐチャイムが鳴ることに気付き、急いでお弁当を食べた。
僕は、自分の役目を忘れていた。
そうだ、涼太の様子を見にいかなきゃ。