虹色パウダー
「お前ら、部活入んねーの?」
涼太がサッカー部であることは、すでにクラス全員が知っているようだった。
「俺、サッカー部入る!」
涼太に憧れているのか、一緒の輪の中にいる男の子は目をキラキラと輝かせた。
僕は、教室の後ろに集まる女子グループの中へと入る。
情報収集。
「日向岡君の噂、聞いた?」
おそらくクラスのリーダーになるであろう偉そうな態度の女の子がヒソヒソと話す。
「聞いた聞いた!!中学の時、サッカーで関東代表に選ばれたんでしょ?」
「そうそう!推薦いっぱい来たらしいよ。でも、ここの学校を自力で受けて受かったんだって」
「普通、推薦で入るよね~!!」
「普通じゃないところがかっこいいよね。でも、絶対彼女いるよね~」
1年5組は、日向岡涼太の話題で持ちきりだった。
僕にとっても、桜子にとっても、悲しい情報。
涼太は、かなり・・・・・・モテモテだってこと。